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一斑を見て全豹を卜す

読み方

いっぱんを みて ぜんぴょうを ぼくす

意味

物事の一部分やわずかな手掛かりを見ただけで、全体の性質・内容・水準などを推測すること。豹の斑点を一つ見れば全身の模様を推し量れる、というたとえである。限られた材料から本質を見抜くという肯定的な意味で使われる一方、根拠が乏しいまま全体を判断することへの戒めとして用いられることもある。

由来

中国の六朝時代、5世紀ごろに成立した『世説新語』にある「管中窺豹、時見一斑(管中より豹を窺い、時に一斑を見る)」という故事を踏まえた表現とされる。筒の中から豹をのぞいて、全身ではなく斑点の一部しか見えないという原話から、「一斑(豹の斑点の一つ)」を手掛かりに「全豹(豹の全身)」を推し量る意が生じた。

備考

「卜す」は「ぼくす」と読み、「占って推測する」の意。現代では日常会話よりも、文章語・評論的な文脈で使われる。原話の「管中窺豹」は、視野の狭さを表す場合もあるため、意味を混同しないよう注意する。

例文

  • 彼の短編を一作読んだだけでも、文章力の高さは一斑を見て全豹を卜すがごとく伝わってきた。
  • 試作品は一つだけだったが、その精密な仕上げから、会社の技術力は一斑を見て全豹を卜すことができた。
  • 一件の失敗だけを見て組織全体を批判するのは、一斑を見て全豹を卜すような早計な判断になりかねない。

類義語

対義語

このことわざに使われている漢字