士は己を知る者のために死す
読み方
し は おのれ を しる もの の ため に しす意味
才能や人格を深く理解し、高く評価して取り立ててくれた人のためなら、命を懸けても恩に報いるという意味。「己を知る者」とは、単に自分を知っている人ではなく、自分の真価を認めてくれる恩人・理解者をいう。由来
中国の歴史書『史記』「刺客列伝」にある、春秋戦国時代の晋の武士・予譲(よじょう)の言葉に由来する。主君の智伯(ちはく)に才能を認められた予譲が、智伯の死後、その仇を討とうとして「士は己を知る者のために死す」と述べたとされる。『史記』は前漢の司馬遷が紀元前91年頃までに著した。備考
中国由来の故事成語・ことわざ。現代では実際に命を捨てる意味ではなく、理解者や恩人に強い忠誠心を尽くす比喩として用いる。封建的・男性中心的な響きがあるため、日常会話ではやや硬い表現。例文
- 彼は恩師が自分の才能を見いだしてくれたことに深く感謝し、「士は己を知る者のために死す」の思いで仕事に励んだ。
- 窮地にあった私を社長が採用してくれた。士は己を知る者のために死すという気持ちで、期待に応えたい。
- 武将は主君への忠誠を語る際、士は己を知る者のために死すという故事を引いた。
類義語
- 士は知己のために死す
- 知己の恩に報いる
- 知遇に報いる
対義語
- 恩を仇で返す
- 利を見て義を忘る