人はパンのみにて生くるにあらず
読み方
ひと は パン のみ にて いくる に あらず意味
人間が生きるためには、パンに代表される食物や金銭などの物質的なものだけでは足りず、信仰・精神・知識・愛情など、心を満たすものも必要だという意味。単に生活を維持するだけでなく、人間らしく生きるための精神的価値の重要さをいう。由来
『新約聖書』「マタイによる福音書」4章4節のイエスの言葉に由来する。荒野で悪魔から石をパンに変えるよう誘惑されたイエスが、「人はパンのみにて生くるにあらず」と答えたもの。さらに元は『旧約聖書』「申命記」8章3節にある思想である。日本語では明治期、1880年(明治13年)刊行の「明治元訳新約聖書」などの聖書翻訳を通じて広まった。備考
「パン」は食物・生活費などの物質的な必要を象徴する。文語的な表現なので、現代語では「人はパンだけで生きるのではない」と言い換えることも多い。宗教的文脈に限らず、精神的充足を説く場面で使われる。例文
- 給与や住居を整えることは大切だが、人はパンのみにて生くるにあらずで、働く人の心の健康にも目を向ける必要がある。
- 芸術や読書に触れる時間を持つのは、人はパンのみにて生くるにあらずという考え方を実践することでもある。
- 彼は利益だけを追う経営方針に疑問を呈し、「人はパンのみにて生くるにあらずだ」と社員の成長を重視した。
類義語
- 精神的な糧も必要である
- 衣食足りて礼節を知る
- 物心両面の充実
対義語
- 花より団子
- 腹が減っては戦はできぬ