兵は拙速を尊ぶ
読み方
へい は せっそく を たっとぶ意味
戦いでは、多少作戦が十分に練られていなくても、戦争を長引かせるよりは速やかに決着をつけるほうがよい、という意味。長期戦は兵力・物資・国力を消耗させ、損害を大きくするため、迅速な行動や早期決着の重要性を説く。転じて、物事は完璧を求めすぎて遅れるより、多少の不備があっても早く実行するほうがよいという意味でも用いる。由来
中国の兵法書『孫子』の「作戦篇」にある「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり」という趣旨に基づく言葉。『孫子』は一般に紀元前5世紀ごろの春秋時代の兵法家・孫武に仮託されるが、成立時期や作者には諸説ある。「兵は拙速を尊ぶ」は、その思想を日本語のことわざとして簡潔に表した形である。備考
本来は戦争・軍事についての教訓であり、「雑でも急げ」という無条件の意味ではない。重大な判断や安全・法令に関わる場面では、拙速を戒める必要がある。例文
- 市場の変化が激しいので、新製品は完璧を待たずに出そう。兵は拙速を尊ぶという考え方も必要だ。
- 災害対応では、情報収集に時間をかけすぎてはいけない。兵は拙速を尊ぶと言うように、まず救助を急ぐべきだ。
- ただし、兵は拙速を尊ぶからといって、安全確認まで省いてよいわけではない。
類義語
- 兵は神速を貴ぶ
- 短期決戦