医者の若死に出家の地獄
読み方
いしゃ の わかじに しゅっけ の じごく意味
人の健康を守る医者が自分の養生を怠って若死にし、極楽往生を説く出家者が自らは地獄に落ちる、という皮肉を表す。他人に教えたり世話をしたりする立場の人が、自分ではその教えを実行できていないことのたとえ。由来
成立した正確な年代や初出の文献は明確ではない。医者は多忙さなどから自分の健康管理を後回しにしがちであり、出家者は人に仏道や善行を説きながら自らは実践できないことがある、という世間の観察・風刺から生まれたことわざとされる。江戸時代以降に広く用いられてきた表現で、「医者の不養生」「坊主の不信心」と同系統の発想をもつ。備考
「出家」はここでは仏門に入った人、特に僧侶を指す。医者や僧侶を事実として非難する表現ではなく、教える側が自ら実践しない矛盾を風刺する言い方。現在はやや古風で、批判的な響きがある。例文
- 患者には生活習慣の改善を勧めているのに、自分は過労で倒れるとは、まさに医者の若死に出家の地獄だ。
- 人に倫理を説く教師が規則を破っていては、医者の若死に出家の地獄と言われても仕方がない。
- 僧侶が他人には善行を勧めながら横暴に振る舞うなら、医者の若死に出家の地獄という皮肉が当てはまる。