名正しからざれば則ち言順わず
読み方
な ただしからざれば すなわち げん じゅんわず意味
物事の名称・肩書・立場・定義などが実態に合って正しく定められていなければ、その後の議論や命令、説明も筋道が通らなくなる、という意味。社会や組織を正しく運営するには、まず言葉や名分を正すことが必要だという教え。由来
中国の儒教書『論語』の「子路」篇にある孔子の言葉「名不正、則言不順(名正しからざれば、すなわち言順わず)」に由来する。孔子(前551年頃~前479年頃)が説いた「正名」の思想を表す句で、『論語』自体は戦国時代(おおむね前5~前3世紀)に編纂されたとされる。続きには、言葉が順当でなければ事業も成し遂げられない、という趣旨が述べられている。備考
漢文由来の硬い表現で、日常会話よりも文章・演説・組織論などで用いられる。「則ち」は「すなわち」と読む。名称や用語の定義を正確にする重要性を説く際に適する。例文
- 組織改革では、役職名と実際の権限を一致させるべきだ。名正しからざれば則ち言順わずで、責任の所在も曖昧になる。
- 新制度で使う「公平」という言葉の基準を定めずに議論しても、名正しからざれば則ち言順わずというように、意見はかみ合わない。
- 品質を満たしていない商品を「安全」と呼べば、名正しからざれば則ち言順わずで、利用者への説明も信頼を失う。
類義語
- 名分を正す
- 名正言順
- 名不正則言不順
対義語
- 名実不相伴う
- 言行不一致
- 本末転倒