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大匠は拙工のために縄墨を改廃せず

読み方

たいしょう は せっこう の ために じょうぼく を かいはい せず

意味

優れた職人は、未熟な職人が使いこなせないからといって、仕事の基準や正しい道具・方法を変えたり捨てたりはしないということ。転じて、能力不足の人に合わせるためだけに、守るべき規則・原則・基準を安易に改めるべきではないというたとえ。

由来

中国の古典『孟子』「離婁章句上」にある「大匠不為拙工改廃縄墨」に基づく故事。孟子の活動した戦国時代、紀元前4〜3世紀ごろの思想を伝える。「大匠」は名工、「拙工」は腕の未熟な職人、「縄墨」は大工が直線を引くための墨縄や墨つぼで、仕事の規準を表す。

備考

「能力の低い人を切り捨てよ」という意味ではなく、基準そのものを安易に壊すなという戒め。現代では、事情に応じた合理的な改善や配慮まで否定する表現にならないよう注意して用いる。

例文

  • 新人が手順を覚えにくいからといって、安全基準まで下げるわけにはいかない。大匠は拙工のために縄墨を改廃せず、まず十分な研修を行うべきだ。
  • 部下の一部が評価制度を理解できないとしても、制度の公平性を損なう変更は避けたい。大匠は拙工のために縄墨を改廃せず、という考え方も必要である。
  • 先生は、難しい問題があるからといって学問の基本を省くことはしなかった。まさに大匠は拙工のために縄墨を改廃せず、である。

類義語

  • 大匠は拙工のために縄墨を改めず
  • 羿は拙射のためにその彀率を変ぜず
  • 規矩準縄

対義語

このことわざに使われている漢字