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天に口なし人をして言わしむ

読み方

てん に くち なし ひと を して いわしむ

意味

天そのものには口がなく直接意思を語れないが、世の中の人々の言葉や評判を通じて、天の意志・道理・真実が表れるということ。多くの人が同じように語ることには、それなりの根拠や世評があるという意味で用いる。

由来

中国の儒教的な思想に由来するとされることわざ。『論語』陽貨篇の「天何をか言わんや。四時行われ、百物生ず」に見られるように、天は言葉を発せず、その働きによって意志を示すという考え方が背景にある。『論語』は春秋時代の孔子(紀元前551~前479年)の言行をもとに、戦国時代ごろまでに編纂されたとされる。現在の「天に口なし人をして言わしむ」という定型句の成立時期は明確ではない。

備考

「人をして」は「人に~させる」の意。世評を重んじる文脈で使うが、多数の意見が常に正しいという意味ではない。日常会話より文章語・教訓的な表現として用いられる。

例文

  • あの店の対応の悪さは、多くの客が口にしている。天に口なし人をして言わしむというから、改善すべきだ。
  • 彼の功績は本人が語らなくても、周囲の人々が伝えている。まさに天に口なし人をして言わしむだ。
  • 根拠のないうわさまで信じるべきではないが、同じ評判が長く続くなら、天に口なし人をして言わしむという面もあるだろう。

類義語

  • 天の声は人を以て言う
  • 天意は人の言葉に現れる

このことわざに使われている漢字