煙霞痼疾
読み方
えんか こしつ意味
山や川、霞などの自然の風景を深く愛し、その中で暮らしたいと強く願う気持ちを、治りにくい持病になぞらえていう語。「煙霞」は山水などの美しい自然景観、「痼疾」は長年治らない病気の意。自然を愛する心が非常に強いことを表す。由来
中国・南朝梁(6世紀)の道教者・陶弘景にまつわる故事に由来する。『南史』陶弘景伝などに、梁の武帝が仕官を求めた際、陶弘景が「煙霞は痼疾、泉石は膏肓(こうこう)」、すなわち自然を愛する思いは治らない病のようなものだと述べたという記述がある。日本ではこの故事を踏まえ、自然・山水への深い愛着を表す四字熟語として用いられる。備考
日常会話ではあまり使われない雅語・漢文調の表現。自然を好む気持ちを、単なる趣味以上に強く、ほとんど治らない「病」のような愛着として表す。否定的な病気の意味で使う語ではない。例文
- 都会で働いていても、休日ごとに山へ向かう彼には煙霞痼疾ともいうべき自然愛がある。
- 退職後に山里へ移り住んだのは、若い頃からの煙霞痼疾を抑えがたかったためだ。
- 画家は煙霞痼疾の人であり、霧に包まれた渓谷や夕暮れの山々を生涯描き続けた。
類義語
- 泉石膏肓
- 林泉之志
- 山林遁世