一切皆空
読み方
いっさい かいくう意味
この世のあらゆる存在・現象には、それ自体で独立して永遠に変わらない実体はない、という仏教の考え方。人や物事は多くの条件によって一時的に成り立っているため、執着すべき固定的なものではないとする。「空」は「何もない」という単純な虚無ではない。由来
大乗仏教の「空(くう)」の思想に基づく語である。「一切」はすべてのもの、「皆空」はすべて実体がなく空であることを表す。思想的な源流は、紀元前1世紀頃から紀元後数世紀頃にインドで成立・発展した般若経典群(『般若心経』など)に求められる。日本には仏教伝来後、飛鳥時代(6世紀後半)以降に受容された。備考
仏教語として用いるのが基本で、日常会話ではやや硬い表現である。「すべてが無意味だ」という虚無主義の意味ではなく、物事に固定不変の実体がないという教えを指す。例文
- 修行僧は、一切皆空の教えを通して、財産や名声への執着を手放そうとした。
- 失敗を必要以上に引きずらず、一切皆空という考え方で心を落ち着かせた。
- この作品は、栄華も悲しみも移ろうという一切皆空の思想を主題としている。
類義語
対義語
- 実有不変
- 常住不変
- 有為実在