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一念三千

読み方

いちねん さんぜん

意味

天台宗の仏教思想で、一瞬の心の働き(一念)の中に、世の中のあらゆるあり方・可能性(三千の世界)がことごとく備わっているという教え。人は迷いの世界から悟りの世界まで、十界すべての可能性を心のうちに持つと説く。

由来

中国・隋代の天台大師智顗(ちぎ、538~597)が説いた天台教学に由来する。智顗の講説を弟子の灌頂が記録した『摩訶止観(まかしかかん)』(594年ごろの講説)に見られる思想である。十界が互いに十界を具える「百界」、そこに十如是を掛けた「千如是」、さらに五陰・衆生・国土の三世間を掛けて「三千」とする。日本には平安時代初期、最澄らによる天台宗の伝来を通じて広まった。

備考

仏教、特に天台宗・日蓮宗で重視される教義用語であり、日常会話で比喩的に使われることは多くない。「三千」は単純に三千個の世界を数える意味ではなく、世界・生命の全可能性を示す教理上の数である。

例文

  • 天台宗では、一念三千の思想に基づき、どの人の心にも仏となる可能性があると考える。
  • 一念三千という教えは、日常の小さな心の動きも軽視できないことを示している。
  • 彼は一念三千を学び、苦しみや迷いの中にも悟りへの契機があると捉えるようになった。

類義語

この四字熟語に使われている漢字