一無長物
読み方
いちむちょうぶつ意味
余分な財産や持ち物がまったくないこと。「長物」は、身の回りにある余計な物・ぜいたくな品をいう。必要最小限の物だけで暮らす質素な様子、または財産をほとんど持たないことを表す。由来
中国南朝・宋の劉義慶(りゅうぎけい)が5世紀前半(およそ430年ごろ)に編んだとされる『世説新語』にある故事に由来する。王恭という人物が、求められた敷物を人に譲った後、自分には余分な物がないという趣旨で「作人無長物」と述べた話から、「長物」は余計な所持品を意味するようになった。「一無長物」は、それが一つもないことを強調した表現である。備考
主に「一無長物の身」「一無長物となる」の形で用いる。必ずしも悲惨な貧困だけを指す語ではなく、余計な物を持たない質素・簡素な生活を肯定的に表す場合もある。例文
- 彼は一無長物の身で上京したが、努力を重ねて事業を成功させた。
- 退職を機に持ち物を整理し、一無長物に近い暮らしを始めた。
- 火事の後、彼は一無長物となったものの、周囲の助けを受けて再出発した。
類義語
- 身一つ
- 無一物
- 四壁蕭然
- 赤貧洗うが如し