七情六欲
読み方
しちじょう ろくよく意味
人が本来もつさまざまな感情と欲望のこと。「七情」は一般に喜・怒・哀・懼(く)・愛・悪(お)・欲の七つの感情をいい、「六欲」は目・耳・鼻・舌・身・意の六根から生じる欲望をいう。転じて、理性だけでは抑えきれない人間らしい情念や欲望全般を指す。由来
中国の古典・思想に由来する語である。「七情」は『礼記(らいき)』の「礼運」篇に見られる、喜・怒・哀・懼・愛・悪・欲という人間に生得的な七つの感情に基づく。「六欲」は仏教の六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)に関わる欲望という考え方などと結び付き、後に「七情六欲」として、人間の感情と欲望を総称する成語として定着した。成立時期は中国古代から中世にかけての思想的背景をもち、日本へは漢籍・仏教思想の受容を通じて伝わった。備考
やや硬く文語的・評論的な語で、日常会話では「人間の感情や欲望」と言い換えることが多い。必ずしも欲望を否定的にいう語ではないが、理性を失うほど欲に支配される文脈で用いられることもある。例文
- 彼は七情六欲をもつ一人の人間として、迷いながらも自分の信念を選んだ。
- 修行とは、七情六欲を完全に消し去ることではなく、それに振り回されない心を養うことだ。
- その小説は、愛憎や野心など、人間の七情六欲を鮮やかに描いている。
類義語
- 喜怒哀楽
- 愛憎欲求
- 煩悩妄念
- 人間的欲望
対義語
- 無欲恬淡
- 清心寡欲
- 無我無欲