浴沂詠帰
読み方
よくぎ えいき意味
春のうららかな日に、沂水で水浴びをし、舞雩で風に吹かれ、歌を口ずさみながら帰ること。本来は自然の中でのどかに春を楽しむ風流な遊びをいう。転じて、世俗の忙しさや名利から離れ、ゆったりと自由な気持ちで暮らす境地も表す。由来
中国の古典『論語』「先進」篇に由来する。孔子が弟子たちに志を尋ねた際、曾点(そうてん)が「暮春に、仲間や子どもたちと沂水で水浴びし、舞雩で風に当たり、歌いながら帰りたい」と答えた故事の「浴乎沂、風乎舞雩、詠而帰」を縮めた語である。『論語』は孔子(紀元前551~479年)と弟子たちの言行を、戦国時代頃までに編纂したものとされる。備考
「沂」は中国・山東省を流れる川の名、「詠」は詩歌を口ずさむ意。単なる怠惰ではなく、自然を愛し、心豊かに風流を楽しむ理想的な閑居の姿を表す雅語である。例文
- 退職後は、家庭菜園や散歩を楽しむ浴沂詠帰の暮らしを送りたい。
- 仕事に追われる日々だが、休日だけは浴沂詠帰の気分で川辺を歩いた。
- 彼の理想は出世競争ではなく、自然と親しむ浴沂詠帰の人生だった。
類義語
対義語
- 汲々奔走
- 粉骨砕身